5月21日
朝起きてバイトに行った。
塾講師のバイトだ。
さて、俺は馬鹿である。
本来は人見知りだが、仲良くなり気の置けない友人だと一方的に認知すると途端に図々しくなる。
友人達は俺のことを「馬鹿」だの「あほう」だの「コジキ」だの好き勝手なことをおっしゃるので認めたくはないが少なくともそういう気質はあるんだろう。認めたくはないが。
そんな俺のことをある先輩は「サービス精神」があると言ってくれたことがある。
いつだったか、たしかどこかの店内だったように思う。
俺は周りにいる人には笑っていて欲しい。
友人や恋人や家族なら尚更だ。
その人達が笑っているのを見て俺も笑いたい。安心したい。俺には存在する価値があると思える。ただ漫然と人生を燃焼させていく中でそんな言葉をもらえた事を誇らしく思う。
もっともそんな深い意味はないのだろうけど。
バイト終わり頭を使いすぎて痛くなり、少し疲れた顔で家に帰ると同居人2人が起きて来た。
今夜は合コンに行くらしい。
こいつらはおもしろいから合コン相手を笑わせるんだろうな。うらやましい。
合コンなんて行ったこともないので楽しいか楽しくないのかさえわからないが俺の知らない2人のおもしろさを実感できるのがうらやましく、少し悔しい。
今夜は夜遅くまで起きてしまった。
今更「火花」を読んでいる。
こんなに夜も更けているのにマンションの廊下から笑いを噛み殺す声が聞こえてくる。
平凡な表現を使えば、笑いというのは小さな幸せの連鎖のように思う。